昨年、2015年10月28日におこなわれた「10.28 生活保護アクションin日比谷 25条大集会」は4000人もの参加者を集め、生活保護の集会としては前代未聞の大規模なものとなりました。採択されたアピールは、呼びかけ人のひとりである作家・雨宮処凛さんの原案を元に、生活保護を利用しているたくさんの当事者の方々が手を入れて完成されたものです。
《STOP! 生活保護基準引き下げ》アクションも当事者として策定に関わっていることから、ここに改めて紹介させていただきたいと思います。
【25条大集会・集会アピール】
貧困は、お金だけの問題ではない。
貧困は、人間の尊厳を破壊する。
人間関係を奪い、社会や他者への信頼も奪う。
教育の機会、医療へのアクセス、住む権利――。住民登録を奪い、選挙の機会も奪う。人並みの生活、そのすべてを奪い去る。
そして、自分は生きていい、価値ある人間なのだという自己肯定感も奪う。
自分は少しくらい迷惑をかけても助けられていい人間なのだ、SOSを発信していいのだ――。そんな気持ちも奪う。
貧困が奪うもっとも大きなものは、生きる上で一番大切かもしれない「助けて」という言葉ではないだろうか。私たちは、無差別平等に生きる憲法と制度を持っている。
貧困に命を奪われないためのしくみはある。
私たちはもっと「助けて」と言っていいし、私たちはもっと「助けて」と言われていい。生活保護制度という命の砦を、私たちは守り、より良いものに作り変えていく義務がある。
誰一人、貧困に殺されない社会。
そんな当たり前のために、私たちは声を上げ続ける。(「10.28 生活保護アクションin日比谷 25条大集会」より)